「川本法2000」  (Cryofilm Transfer kit)
利点:
 1)骨組織等からの凍結切片を作製が可能になった。
問題点: 
 1)有機溶媒や高温処理(免疫染色での賦活化)ができない。
 2)切片作製直前に専用粘着剤で粘着フィルムを作製しなければならない。

「川本法2003」  (New Cryofilm Transfer kit
利点:
 1)専用の切片支持用粘着フィルム(Cryofilm type 1)により日常的凍結切片作製に利用できるようになった。
 2)有機溶媒(キシレン)や高温処理(120℃)ができるようになった。
問題点: 
 1)永久切片標本作製時にパラフィン用封入剤を使用するため、組織が収縮して組織に多数のヒビが現れる。

「川本法2006」  (多目的凍結切片作製キット:Multi Purpose Cryosection Preparation kit)
利点:
 1)低温下(-35℃)でも強い粘着性を保持した新粘着フィルム(CryofilmType 2C)と、専用凍結包埋剤(SCEM)を使用することにより、より確実に凍結切片を作製できるようになった。

川本法2008」  (新多目的凍結切片作製キット、New Multi Purpose Cryosection Preparation kit)
利点:
 1)新粘着フィルム(Cryofilm Type 2C(9))、専用凍結包埋剤(SCEM、SCEM-L1)、専用切片封入剤(SCMM)を使用することにより、切片の形状が保たれ、しかも収縮の殆ど無い永久切片標本を短時間で作製できる。 
     (最短では、硬組織でも 試料採取から10分後に永久切片標本にできる)
 
・組織収縮のない状態で永久切片標本にできる。
・パラフィン切片同様に組織を鮮明に観察できる。
・短時間(H−E染色)で永久切片標本にできる。
 (通常試料では、試料採取20分後に観察できる。 迅速組織診断用では10分)
・硬組織を鮮明に観察できる(硬組織切片作製には必須の手法)。
改訂:平成23年 4月 1日
【最新バージョン(川本法2008)の利点】
SECTION-LAB Co. Ltd.
  「川本法」は、川本忠文博士が硬組織(骨や歯)へのカルシウム輸送機構を解明するために考案した手法の事で, その実施のための器材が、2000年から(株)FINETEC(2008年閉)を通して供給されはじめました。 それ以後、「川本法」に最適な材料(凍結包埋剤、切片支持用粘着フィルム、切片封入剤等)が開発され、それに伴ってキットも更新され、最新バージョンは「川本法2008」となっています。
「川本法2008」とは